
iStockガイド:映像素材/画像素材のライセンスとファイル形式について知っておきべきポイント
ゲッティイメージズが運営するiStockを利用すると、コンテンツ制作にかかる労力とコストを削減することができますが、そのためには、基本的な知識を把握し、映像素材や画像素材のライセンス、そしてファイル形式について仕組みを理解することが重要です。
映像素材:特徴と探す場所と使い方
映像素材って何?
映像素材とは、特定の用途で使うためにライセンスする既存の映像のことです。映像素材は、ストックビデオやBロールと呼ばれることもあります。映像素材では、かわいい子猫の映像やタージマハールでのロケ映像、さらには歴史的瞬間を収めた映像など、ありとあらゆるものが撮影されています。
映像素材は、パブリックドメインでアーカイブ映像になっている場合もありますが、多くの場合、映画制作者やビデオグラファーによって制作された独自の映像であり、それを様々な用途で使うためにライセンスできるようになっています。このようにすることで、クリエイターは経費をかけて制作した自身の映像を最大限に収益化することができます。ユーザー側にとっても、映像素材を使えば、自ら高額なコストをかけて映像を制作する必要がなくなるので、成果を最大限に高めやすくなります。
幅広い用途に適した映像素材を提供するために、iStockでは、ロゴやブランドなどの著作物や商標を含まない映像を制作してもらうようにクリエイターにお願いしています。また、映像内に登場する人物のモデルリリースや所有物のプロパティリリースも確保してもらっています。このようにすることで、映像素材が様々な用途で使えるようになります。
ウェブサイト、プレゼンテーション、商業広告など、用途を問わず、映像を必要とするコンテンツ制作で費用対効果の高い選択肢になるのは、基本的に映像素材です。適切な映像素材を見つけることは、優れたコンテンツを作るための第一歩となります。
映像素材ってどこにあるの?
高品質な映像素材を手に入れるのは、今やかつてないほど簡単です。適切な映像素材を見つけるには、適切なサービスを利用する必要があります。つまり、パブリックドメインの映像アーカイブや、iStockのようなビジュアル素材サイトなどです。
パブリックドメインになっている過去の映像素材を探している場合は、600万本以上の膨大な映像を所蔵するInternet Moving Image Archiveを利用するところから始めるといいでしょう。こうした映像は、パブリックドメインであるか、クリエイティブ・コモンズのライセンス(CCライセンス)を取得しており、さまざまな用途でダウンロードして使用できます。ただし、Internet Moving Image Archiveは著作権を保証するものではありませんので、ご利用の際には十分に注意が必要です。
クリエイティブ・コモンズとは、著作物を一定の条件のもと、無料で共有できる仕組みを構築した非営利団体です。CCライセンスには、制作者の表記を求めるものから、商業利用を禁止するものまで、さまざまなものがあります。また、アーティストが著作権を放棄して作品をパブリックドメインとして公開できるCCライセンスもあります。クリエイティブ・コモンズの映像素材は、Vimeo、Wikimedia Commons、YouTubeのほか、ヨーロッパのアーカイブサイトであるEuropeanaでも公開されています。
アーカイブ映像サイトや動画共有サイトに加えて、数多くの無料映像素材サイトでも映像素材を見つけることができます。4K映像に特化したサイトもあれば、空撮、クロマキー用素材、自然風景、ビデオ会議の背景などに特化したサイトもあります。
また、iStockのようなサイトでは、手頃な価格で安心してライセンスを取得できる映像素材が大量にそろっています。
パブリックドメインの映像よりも有料の映像素材を使用することのメリット ›
映像素材の活用法
映像素材は、想像力と編集スキル次第で、どのようにでも利用することができます。ビデオグラファーの中には、自分が撮影した映像をつなぎ合わせるために映像素材を利用する人もいれば、映像素材だけですべてを制作する人もいます。
映像素材の主な活用方法としては、次のようなものがあります。
- Bロール:Bロールとは、状況設定ショット、カットアウェイ、トランジションなど、コンテンツを補足する映像のことです。例えば、ドキュメンタリー作家は、撮影されたインタビューの状況を説明するために、しばしばBロールを使用します。被写体が話をしている間、その話に関連する映像に切り替えることでドラマチックな演出を行うカットアウェイは、どんな映像制作でも実践できます。Bロールは、状況を説明し、視聴者を飽きさせず、メッセージやストーリーを伝えるのに役立ちます。
- メイン映像:映像素材は、あらゆるコンテンツのメイン映像として活用することもできます。重要なのは、ストーリーを伝えるのに最適な映像を選び、それをシームレスに編集して、ムードやストーリー、メッセージを伝えることです。ほとんどの映像素材サイトでは、キーワード検索が可能です。例えば、マーケティング施策で明るいメッセージを伝えたい場合、「幸せ」や「希望」で検索すると、目的に適したムードの動画が見つかるので、あとは、テキストや音楽、ナレーションを加えればOKです。
- 背景:映像素材は、さまざまな方法で背景として使用することができます。音声なしで反復再生する映像素材にテキストを重ねてウェブサイトに使用すれば、動的なコンテンツで訪問者を惹きつけられます。また、質感を表現する映像を背景として加えることで、映像コンテンツを活き活きと演出することができます。これは、地球、デジタル模様、宇宙など、状況や雰囲気が伝わるものであれば、どんな映像でも構いません。
映像素材には著作権がありますか?
映像素材には、「著作権保護」と「パブリックドメイン」の2つのカテゴリーがあります。
著作権とは、その作品がオリジナルであり、創作者によって所有され、知的財産権法によって保護されていることを意味します。基本的に、著作権で保護された作品を使うには、権利者の許可が必要です。著作権で保護された映像素材を使用するには、ライセンスを購入しなければなりません。ライセンス購入後は、一定の映像使用権が与えられますが、創作者の所有権はそのまま保護されます。また、与えられる映像使用権は、ライセンス契約書に明記されていなければなりません。
すべての映像素材が商用利用できるわけではありません。例えば、映像素材の中には、モデルリリースやプロパティリリースがないものや、ブランドロゴなど、第三者の商標が含まれているものがあります。このような映像素材は、「報道目的のみ」に用途が限定されます。つまり、ニュース記事を映像で説明するために使用することはできますが、製品販売や企業のマーケティングのために使用することはできません。
パブリックドメインの映像には著作権がありません。ほとんどの場合、オリジナルの著作権が失効しているからです。しかし、CCライセンスのように、クリエイターが著作権を放棄していたり、作品を自由に使えるようにパブリックドメインとして公開したりする場合もあります。NASAや国立公園局のような政府機関が作成した映像は、自動的にパブリックドメインとなります。
パブリックドメインの映像は、一般的に何の制限もなく自由に使用することができますが、その映像が実際に著作権で保護されていないことを確認するようにしましょう。CCライセンスでは、何らかの形で創作者の表記が求められることが多いので、注意が必要です。パブリックドメインのコンテンツに特定の人物が含まれている場合、商業目的での使用は、その人物のプライバシーやパブリシティの権利を侵害する可能性があるため、その人物から許可を得る必要があります。米国著作権局は、作品の著作権状況を調査するのに役立つリソースを提供しています。
画像素材のライセンス: 検索方法と購入方法
写真素材とは?
写真素材とは、ライセンス購入によって使用できる既存の写真のことです。写真素材は、プロの写真家によって様々なテーマで撮影されているので、どんな写真を探していても、ほぼ間違いなく、見つけられます。
画像素材は、写真だけではありません。イラストレーションやアイコンなど、さまざまなスタイルやテーマのものも含まれます。魅力的な画像素材を探しているデザイナーにとって、画像素材には無限の可能性があります。例えば、iStockでは、ビジネスや食べ物のイラストのほか、コンセプチュアルな静物画、魅力的なヴィンテージ写真、雄大な自然の写真、抽象的な背景画像などを見つけることができます。
写真素材やイラスト素材なら、フォトグラファーやイラストレーターを雇って一から制作する手間をかけずに高品質な作品を使用できるので、時間とコストの節約になります。何百万という数の写真素材の中から手軽にダウンロードでき、報道目的と商用の両方で使用することができます。
画像素材や写真素材は、SNS、ウェブサイト、記事レイアウト、ビジネスプレゼンテーションなど、様々な用途で利用することができます。ただし、大切なのは、写真の探し方を把握して、キーワードや検索フィルターを効果的に使うことです。
画像素材サイトや、過去の画像を扱うサイトなどでは、無料で提供している場所も数多くあります。iStockなどでは、ビジュアル素材ギャラリーがあり、そこで提供さrている豊富なロイヤリティーフリー画像は、キーワードで検索してお得にライセンスできます。
ロイヤリティフリーの意味
ロイヤルティフリーとは、購入したビジュアル素材の利用可能範囲を示す言葉です。無料で使えるという意味でも、著作権がないという意味でもありません。ロイヤリティフリーとは、素材のライセンスを購入すると、その素材を永遠に使用することができ、使用するたびに創作者にロイヤリティを支払う必要がないという意味です。
創作者は自分の作品の著作権を所有するため、画像をロイヤリティフリーで使用してもらうには、許可を与える必要があります。例えば、iStockでは、いずれのビジュアル素材においても。ロイヤリティフリーで提供してもらうことを創作者との契約に含めています。
ロイヤリティフリー画像は、デザイナーに自由度の高さと柔軟性を与えるものです。例えば、店頭のポスターに画像素材を使用するとします。ロイヤリティフリーであれば、同じ画像素材をSNSや印刷物のキャンペーンに使用しても、その都度、創作者にロイヤルティを支払う必要はありません。
ロイヤリティフリーの素材であるかどうかは、わかりづらいことがあります。とりわけ該当するのが、無料のビジュアル素材サイトです。ライセンスをよく読んで、その画像を使って何ができるかを確認するようにしましょう。
ロイヤリティフリー画像を商用利用する方法についても、把握しておきましょう。
ビジュアル素材のライセンスの種類
ビジュアル素材を検索していると、数種類のライセンスに出くわします。ライセンスの条件を理解して、ライセンスによって何が手に入り、何が可能になるのかを把握しておきましょう。
ロイヤリティフリー
ロイヤリティフリーの場合、素材を使用するたびに追加料金を支払う必要はなく、その素材を永続的に使用できます。ただし、制限もあります。そのひとつが、配布についての制限です。例えば、画像素材を使って全国規模の新聞広告に掲載する場合、iStockのロイヤリティフリー標準ライセンスでは、50万部以下の配布に制限されています。拡張ライセンスでは、無制限の印刷物で配布することができます。
ロイヤリティフリーのもう一つの制限は、販売目的の物品に対するものです。例えば、猫の写真素材を使ってカレンダーを作成し、一般販売する場合、そのための権利を明示したライセンスを購入しない限りできません。
また、ロイヤリティフリーであっても、商業目的で使用する権利が自動的に付与されない場合もあります。使用する素材が“報道用途限定”とされていないか、確認する必要があります。報道用途限定である場合、適切なモデルリリースやプロパティリリースが取得されていない可能性があります。また、著名人やニュース性のある出来事を撮影したものであるため、ニュース、批評、教育のためにしか使用できない可能性もあります。
iSotckでビジュアル素材を利用するメリットは、ライセンス内容が非常に明確であることと、制限が少ないことです。そのため、許可されてない方法で素材を使って広告キャンペーンを行っていたと、あとになって気づくような事態を回避できます。
ライツレディとライツマネージ
ライツレディ(RR)とライツマネージ(RM)は、ビジュアル素材の利用を特定の用途に限定するライセンスです。これには、媒体、期間、印刷数、サイズ、配置のほか、さまざまな制限が含まれます。こうしたライセンスの価格は一定ではなく、通常、ロイヤリティフリーよりも高価で、大規模なキャンペーンを行う全国的なブランドがよく利用します。
RR/RMライセンスでは、お客様の特定のニーズに基づいて、配布や独占権などの条件を交渉することができます。ゲッティイメージズは、この2種類のライセンスで素材を提供しているウェブサイトとして、おそらく最も知られています。
クリエイティブ・コモンズ
クリエイティブ・コモンズのライセンス(CCライセンス)は、個人がインターネット配信で作品を簡単に共有できるように、その使用方法を混乱させないために非営利団体クリエイティブ・コモンズが策定したものです。写真家やアーティストの中には、クレジットが表示されていれば、無料で作品を共有しても構わないという人もいます。CCライセンスでの、使用権や制限には様々なものがあります。
- 表示:創作者の表示がなされていれば、使用、改変、配布にわたって高い自由度があります。
- 表示―継承:上記と同じですが、創作物の調整と改変とリミックス、および、創作物をもとにしての作業を行う場合は、元の創作物と同じライセンスで使用する必要があります。
- 表示―改変禁止:創作者の名前を表示すれば創作物を使用できますが、変更することはできません。
- 表示―非営利:創作者の名前を表示すれば、個人的な用途で好きなように使用できますが、商業目的で使用することはできません。
- 表示―非営利―継承 上記と同じ使用方法ですが、創作物を少しでも改変する場合は、その創作物と同じライセンスで新しい作品をライセンスする必要があります。
- 表示―非営利―改変禁止 創作物を非営利の用途で使用できますが、改変はできません。また、創作者の名前を表示しなければなりません。
- パブリックドメイン指定:パブリックドメイン指定(CC0)は、創作者が著作権を放棄し、創作物をパブリックドメインにしたことを意味します(パブリックドメインの作品については後述)。
パブリックドメイン
パブリックドメインのビジュアルには、著作権がなく、知的財産権法による保護が適用されません。つまり、自由に使用できるということです。パブリックドメインの写真や芸術品は、美術館や博物館、米国議会図書館などの国立公文書館、または、さまざまな政府機関のサイトで見つけることができます。
創作者は、前述のCC0ライセンスによって、自分の作品をパブリックドメインにすることもできます。
パブリックドメインの作品を使用することに制限はないものの、パブリックドメインであるかどうかの確認は難しい場合があります。一般的に、75年以上前に出版された作品は、著作権が失効しているため、パブリックドメインとなります。
ロイヤリティフリー素材はどこで見つかる?
世界には何百万枚ものビジュアル素材が存在しますが、選択肢が多すぎると、その中から最適なものを選ぶのが大変です。
無料のビジュアル素材サイトの数は数百にのぼりだけでなく、サイトによって質と量が変わります。無料のビジュアル素材サイトを見極めるときに重要なのは、そのサイトのライセンス契約を確認して、合法的に無料で使用できるかどうかを確認することです。例えば、iStockのパートナーであるFreerangeでは、「About Us」のページを見ると、画像の入手元や著作権の所有者、そして無料で素材を提供する仕組みなどを確認できます。
無料サイトの中には、創作者がアップロードした写真を、サイトの編集者がコレクションとしてまとめているものがありますが、そうした写真が法的に問題がないか必ずチェックされているとは限りません。例えば、写真にはロゴやブランドが含まれている場合、そのロゴやブランドを所有し著作権を有するのは、撮影者以外の人です。そうした写真を使用すると、トラブルになる可能性があります。
また、無料の写真素材サイトでよく問題になるのが、人物の写真を商業目的で使用することです。そうした問題を防ぐため、フォトグラファーはモデルリリースを取得する必要があります。無料の写真素材サイトがモデルリリースをどのように管理しているか、細かく確認するようにしましよう。サイトによっては、フォトグラファーを信頼して、モデルリリースを取得しているものとみなしている場合もあります。モデルリリースの不備は、法的な問題に発展する可能性があります。
クリエイティブ・コモンズでは、パブリックドメインから限定的な非商用まで、CCライセンスの種類に応じてデータベースを検索したり、条件で絞り込んで検索したりすることができます。しかし、無料サイトと同じような問題が発生する可能性があります。それは、保護された商標やブランドが写っている場合や、被写体のモデルリリースを取得していない場合などです。
こうした厄介な法的問題を避ける方法の1つは、iStockのような有料のビジュアル素材サイトを利用することです。こうしたサイトのビジュアル素材は、いずれもモデルリリースを取得して、さらに商標やブランドが含まれていないか審査されているので、安心して商業目的で利用できます。
また、有料のビジュアル素材サイトでは、検索機能が充実しています。被写体、体型、人数、民族、志向、解像度、ライセンスの種類などで絞り込んで検索することができるので、探しているものを的確に見つけやすくなっています。
写真素材の販売方法
プロのフォトグラファーは、有料の写真素材サイトで写真を販売することで、自分の作品を活用することができます。これは、収益を多様化し、不労所得を得るのに効果的な方法です。
写真素材サイトによって、フォトグラファーの受け入れ方や報酬の支払い方法が変わります。誰でもサイトに登録して写真を販売できるところもあれば、iStockやゲッティイメージズのように、作品のサンプルと一緒に応募を求めるサイトもあります。どのようなサイトで作品を販売するにしても、作品の著作権は自分で守るようにしましょう。
ほとんどのサイトでは、独占契約に同意しない限り、自分の作品を他の場所でも販売することができます。独占契約に同意した場合は、1つのサイトでしか販売できませんが、高いロイヤリティを期待できます。
作品を販売する一般的な方法は、写真素材サイトを選び、自分の作品を撮影/編集してアップロードし、必要に応じて適切なキーワードをタグ付けし、さらにモデルリリースやプロパティリリースを取得する、というものです。そして、誰かによって写真が購入されると、ロイヤリティが支払われます。写真が売れるほど、収入は増えていきます。
どのような写真が求められているかを知るために、ユーザーの求めるものをまとめたガイドラインを多くのサイトが提供しています。iStockでは、創作者に撮影ブリーフを提供しています。撮影ブリーフには、人気の高いコンテンツがまとめられてます。
とくに人気の写真素材は、高解像度であるもの、技術的に正確であるもの、照明や構図が優れているもの、一体感、愛、家族などの普遍的なコンセプトを表現しているものです。
また、広告や写真のトレンドにも目を向けるようにしましょう。特定の色がトレンドになっているかもしれませんし、特定の被写体がトレンドになっているかもしれません。iStockでは、ストックフォトの検索ページにトレンドの検索リストを用意しているので、求められているものを知ることができます。
著作権で保護されているビジュアル素材かどうかを知る方法
著作権法は、知的財産を保護する法律です。1976年に著作権法が改正される前は、クリエイターが著作権保護を申請する必要がありました。現在では、著作権保護は自動的に付与されます。例えば、Googleの画像検索で見つけた画像は、著作権で保護されている可能性が高く、適切な許可を得ずに使用することはできません(もし、右クリックして保存しようとしているなら、考え直しましょう)。
クリエイターが著作権のある画像を保護する方法のひとつとして、ウォーターマークがあります。ウォーターマークの入った画像を見れば、それが著作権で保護されているとわかります。もうひとつの方法は、ビジュアル素材のメタデータに作者の情報が埋め込まれているかどうかを確認することです。
パブリックドメインだと思う画像がある場合は、その画像でGoogleの画像検索を行い、メタデータに肖像権が埋め込まれていないかどうか再確認することができます。
作品が著作権で保護されているかどうかをアメリカの著作権局で確認する方法もありますが、政府への登録の有無に関わらず、自動的に著作権で保護されることもあるので、確実とは言えません。
国が違っても著作権法は類似していると思うかもしれませんが、国によって法律でカバーされていない要件が存在します。したがって、ある国では合法であっても、別の国では違法となる可能性があります。
ロイヤリティフリーと著作権フリーの違い
著作権フリーは法律用語ではありませんが、ロイヤリティフリーと混同して使われることがよくあります。ただし、それは間違いです。ロイヤリティフリーのビジュアル素材の著作権は、引き続き、その素材を制作した人か、その素材のライセンスを提供しているサイトが所有しています。そうした素材のライセンスでは、継続的な利用に対してロイヤリティの支払いを必要としません。
著作権フリーは、CCライセンスの意味で使われることもあります。しかし、これも正しくありません。CCライセンスは、著作権の所有者が自分の作品を他の人がどのように使用できるかを規定するものです。そのため、作品は引き続き著作権で保護されています。
パブリックドメインも、著作権フリーとよく混同されます。パブリックドメインの作品は、著作権が失効しているため、自由に使用することができますが、厳密には著作権フリーではありません。
ファイル形式:知っておくべきビジュアルファイルの種類
ビジュアルファイルのフォーマット
写真、イラスト、映像は、プラットフォームを問わず利用できる標準的なファイル形式で提供されています。ビジュアル素材ダウンロードして使用するまえに、ファイル形式ごとに違う特性や、ラスター画像とベクター画像の違いなどを理解しておきましょう。
JPEG/JPG
最も一般的な画像用ファイル形式です。JPEGはJoint Photographic Experts Groupの略で、ラスター画像を非可逆圧縮で保存したものです。ラスターとは、画像の構造が格子状のドットになっているという意味で、解像度を落とさずに縮小することはできますが、拡大することはできません。非可逆圧縮とは、画像から余分な色調を取り除くことで、画像(特に写真)のデータ容量を小さくすることです。JPEG画像を低品質で保存すると、荒いピクセルで表示されることがあります。
JPEGファイルを使用する際には、そうならないように、正しいサイズと解像度を選択することが重要です。画像を印刷物に使用する場合は、できるだけ解像度の高い、大きなサイズのJPEGファイルをダウンロードする必要があります。デジタルのみの用途であれば、画質を落とさずに小さな画像を使用することができますが、解像度に影響を与えずに画像を拡大することはできません。
ラスター画像の種類としては、PNG(Portable Network Graphics)、TIFF(Tagged Image File Format)、BMP(BitMap)、GIF(Graphics Interchange Format)などがあります。ファイル形式によって用途が異なりますが、JPEGが最も一般的で、必要に応じて別のファイル形式に変換することができます。
EPS
EPSとはEncapsulated Postscriptの略で、ベクター画像の一種です。格子状のドットによるピクセルで画像を表すラスターとは異なり、ベクターは画像を図形として表します。つまりEPSでは、描いたイラストやアイコンをベクター画像として保存でき、画質を落とさず、ピクセル単位で拡大/縮小することができます。したがって、同じファイルでも拡大や縮小によtって、小さなアイコンから巨大なビルボードまで対応することができます。
ベクター画像が得意とするのは、ロゴ、イラスト、アイコンです。iStockからイラスト素材をダウンロードする際には、EPS版またはJPEG版を選択することができます。目的に適したファイル形式を選ぶようにしましょう。SNSの標準サイズで使用するのであれば、JPEGを選択しても大丈夫です。JPEGの場合、その画像がラスター形式になります。 イラストを加工して様々な素材に使用する場合は、EPSファイルの柔軟性が必要になります。
ベクター画像には、他にもAdobe Illustratorで作成された画像であるAI形式や、SVG(Scalable Vector Graphics)形式などがありますが、プラットフォームやCG編集ソフト間で標準的に使われているのは、EPSです。EPSファイルの詳細と使用方法を見る ›
MP4
MP4は、MPEG-4の略で、標準的な映像ファイル形式です。音声と映像を別々に圧縮したファイルで、字幕情報を含めることもできます。モバイル機器を含むあらゆるプラットフォームに対応しており、YouTubeでは優先的に使用されているファイル形式です。MP4形式は圧縮率が高いため、映像ファイルが非常に小さくなり、アップロード、ダウンロード、ストリーミングが容易になります。
MP4形式は、大規模な編集やポストプロダクションのエフェクトを必要としない小規模なプロジェクトに最適です。MP4形式の映像は簡単に拡大できません。そのため、目的に応じて適切なサイズとファイル形式で映像を入手することが重要です。
MOV
MOVは、アップル社が開発したもう一つの一般的な映像ファイル形式で、Macでの映像編集によく使われます。MOV形式は一般的に高品質ですが、ファイルサイズも大きくなります。すべてのプラットフォームがMOVに対応しているわけではありません。ただし、映像の編集が終わってから、MOV形式の映像を簡単にMP4に変換することができます。
複数の映像を編集し、テキストや音楽、さらにグラフィックなどの要素と組み合わせる必要がある大規模なプロジェクトでは、MOV形式が最適です。
これまでに数多くの映像ファイル形式が使用されてきているので、ご存じかもしれませんが、代表的なものとしては、AVI(Audio Video Interleave)、WMV(Windows Media Viewer)、FLV(Flash Video)などがあります。こうした形式にはそれぞれ利点がありますが、最も柔軟で広く使われているのはMP4とMOVです。
ファイル形式の変換方法
ファイル形式の変換は、さまざまなソフトウェアで対応しているので比較的簡単です。例えば、Adobe PhotoshopやIllustratorのようなプログラムが使えなくても、MicrosoftやMacにはファイルを変換するプログラムが付属しています。また、無料のオンライン変換ツールもあります。ただし、標準的なソフトウェアを使用した方が、変換の設定を行えるので無難です。
ここでは、一般的なファイル形式の変換方法を簡単にご紹介します。
PNGからJPEGへの変換
Appleには、画像を簡単に開いて操作することができる「プレビュー」というプログラムがあります。
プレビューを使ってPNGをJPEGに変換するには、次の手順にそって操作を行います。
- ファイルをプレビューで開きます。
- 「ファイル」→「画像を複製」を選択します。
- 「保存」を選択します。ダイアログボックスで「フォーマット」を探します。
- プルダウンリストからJPEGを選択します。画質の設定を最高から最低までの間で選びます。この設定は、ファイルのサイズと画像の解像度に影響します。
EPSからPNGへの変換
EPSなどのベクター画像は、JPEGやPNGなどのラスター画像に比べて変換が容易ではありません。そのため、IllustratorやPhotoshop、OpenOfficeなどの専用ソフトが必要になることがほとんどです。
PhotoshopでEPSをPNGやJPEGに変換するには、次の手順にそって操作を行います。
- ファイルを開く。
- ファイルメニューの「エクスポート」を選択し、「名前を付けてエクスポート」を選択します。
- ファイル形式を選択すると、ウィンドウが表示されます。ファイル形式をクリックして、プルダウンリストからPNGまたはJPGを選択します。
- 次に、「ファイル設定」で画質やサイズを選択します。この設定は、選択したファイル形式に応じて、選ぶべき画質やサイズが変わります。
- 適切なファイル設定を選択したら、「エクスポート」をクリックします。
- 保存ウィンドウでファイル名を付けて保存を選択します。