
複数の写真で作る合成画像をクリエイティブな作業に活用する方法
クリエイティブなキャンペーンを展開する際には、時に迅速な対応が求められます。クライアントやビジネスのニーズに合わせて、極めて特殊なビジュアルを制作しなければならないこともあるでしょう。その両方が必要になることもあります。ストック素材を使えば、撮影にかかる数週間の時間を短縮することができますが、ニーズに適した特殊なビジュアルに仕上げられない可能性があります。そんなときに役立つのが合成画像です。
本来、合成画像とは、複数の写真を重ね合わせたり、単独の写真から構成要素を取り出して別の写真に加えたりして作成するものです。この作業には、熟練のデザイナーやフォトエディターが必要になり、いいものを仕上げるには細心の注意が求められます。そこで、iStockでシニアデザイナーを務めるリサ・モーゼスに、合成画像の注意点について話を聞きました。ポイントを押さえて効果的に合成画像を活用しましょう。
複雑なテーマの試作品
広告の構想段階ではお金を払わず、先に仕上がりのイメージを見てみたいというクライアントがいる場合は、合成画像を使って試作品で提案するといいでしょう。「広告のコンセプトを考えている段階なら、さまざまな背景や被写体、それに小道具の写真をひとつに組み合わせてみてください。そのデザインを見せて、クライアントの承認を得るようにしましょう」とモーゼスは話します。これは、最終的な完成形を可視化してから、コンセプトに取りかかる手法です。仕上がりのイメージが視覚的に伝わるものであれば、100%忠実である必要はありません。
実生活の場面や空間をイメージ画像で伝える
同様に、写真撮影を指揮する場合、撮影場所のイメージ画像を作ってから撮影スケジュールを組むほうが、迅速で費用効率がよくなることがあります。「物理的な空間の様子を最初に伝えるとき、合成画像を使うことがあります。それによって、家具がどのように見えるか、照明やテクスチャーがどのように見えるかを把握しやすくなります」とモーゼスは話します。
間違いを修正する
撮影が終わってから、写ってはいけないものが写っていたことに気づくことがあります。「あるファッション撮影での出来事なんですが、写真に写っているアクセサリーの組み合わせが正しくなかったと気づいたことがあります。それで最終的に、同じ撮影での写真をいくつか合成することにしたんです」とモーゼスは話します。この場合は、同じ場所、同じ照明、同じ条件で撮影された写真を使っているので、合成作業は比較的簡単です。このように合成作業を行いたい場合は、iStockで写真素材を探すときに、同じセットと同じ撮影によるものを複数選ぶのといいでしょう。
プロのアドバイス iStockで気に入る写真を見つけたら、その写真の詳細ページを下のほうへスクロールしてみましょう。その写真と類似した写真を確認することができます。その多くは、同じ場所で撮影されたものか、少なくとも同じフォトグラファーによるものです。 そのため、写真の合成作業が比較的簡単になります。
うまくいかないときは無理に合成画像を使わない
合成画像は大問題になることもあるとして、モーゼスは次のように強調しています。「フォトショップの作業クオリティが低ければ、大きな問題になることがあります。合成作業を始めるまえに、写真と写真をくらべて、スケール、照明、色、解像度が必ず一致するようにしてください」。要するに、納得のいくかたちで写真をうまく組み合わせられない場合は、無理に合成画像にするべきではないということです。
誤解を招くことのない正直で誠実なものにする
合成画像を用いるうえでとくに懸念すべきなのは、事実とは異なるものを表現する目的で使用するときです。趣味で作るならば、複数の画像をごちゃまぜにした奇抜な作品にしても問題ありません。ところが、実際には存在しないものを本物だと思わせるために合成画像を使用すると、誤解を招く恐れがあります(とくに、不動産や旅行の様子は合成画像で伝えるべきではありません)。言い換えるなら、見る人を騙すようなことをしていては、ブランドの信頼や誠実さが失われてしまうということです。
ライセンス契約の条件を守る
最後の注意点は、ライセンスした写真素材を変更することについてです。自分で撮影した写真であれば、もちろん自由に使用/編集することができます。ところが、写真素材をライセンスしている場合は、ライセンス契約書をよく読むようにしましょう。iStockのライセンス契約では、商用で写真素材を幅広く使うことができます。その中には写真を変更する権利も含まれています(制約が適用されることがあります)。このように自由度の高いライセンス契約で写真素材を提供するところは、それほど多くありません。iStockのライセンス契約に関する詳細については、こちらのページで確認することができます。
完成イメージの制作やコンセプトの構想で合成画像が必要なときには、写真素材を使うと便利です。こちらのページで紹介しているiStockのおすすめ最新写真素材を、ぜひご活用ください。
*この記事は情報提供を目的としたものであり、法的なアドバイスを目的としたものではありません。お住いの国の法律については、各自法的ガイダンスに従ってください。