
多様性を意識したビジュアルの有効性
販売しているものや、宣伝する企業に関係なく、すばらしい広告やマーケティングキャンペーンというものには、共通していることが1つあります。対象にしている顧客とつながることです。それには、レタッチされたり演出されたりしたものではなく、顧客の生活や願望を反映しているビジュアルが必要です。この“リアリティ”によって、マーケティングは虚飾のない自然な印象になり、顧客と繋がることができるのです。それを実現する方法のひとつに、多様な社会を反映したビジュアルを使うことがあります。人種、年齢、民族、体型、能力など様々な人々を撮影した写真やビデオが、マーケティングキャンペーンの成功にとってますます重要になってきています。なぜでしょうか? それは、消費者がこれまで以上に多様性の欠如に敏感になっているからです。2020年の調査では、“diverse workplace(多様な職場)”、“diverse group(多様なグループ)”、“multicultural group(多文化集団)”の検索数が2018年から2019年にかけて160%以上増加していることがわかりました*。トレンドというだけには留まらないこの3桁の伸びが表していることがあります。多様性を反映したビジュアルを使うと、単なる潜在的な顧客としてではなく、変化に富み多くの共通点を持つ本来の姿の個人として消費者を理解/尊重しているとブランドが示しやすくなることです。社会的なメリットがあるのも確かですが、利益にもつながります。デロイトによる2019年の調査「The Value of Diversity in Advertising(広告におけるダイバーシティの価値)」では、広告で最も多様な被写体を起用するブランドは、過去2年間で平均44%の株価が上昇していることがわかっています。インクルージョンを反映した広告に関するGoogleの2019年の調査では、64%の人々が、ダイバーシティ&インクルージョンを反映していると思った広告を見たあとに、何らかの行動を取っていることがわかりました。
2020年の多様なイメージへのアプローチは、異なる人種の表面的な描写を超えて、多様な人々をステレオタイプではない形で描くことです。以下は、ビジュアルコンテンツの多様性を高めるために考慮すべきポイントをまとめたものです。
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人種と民族性
人種と民族では、肌の色、文化的伝統、国の出自など、無限の組み合わせが考えられます。真に多様な方法で人種と民族性を紹介するということは、混血、複数の人種の出自を持つ人、先住民族、取り上げられることの少ないその他の集団など、さまざまな人種や民族的背景を持つ人々を紹介することを意味します。
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ジェンダー
:かつてジェンダーの多様性を促進するということは、強く自立した女性のイメージを採用することを意味していました。しかし、もともとジェンダーとは、態度、感情、役割、行動を包含する広い概念です。ジェンダーを2通りの方法で考えるといいでしょう。まずは、ジェンダーアイデンティティ。これは、自分自身をどのように考えているかを表します。もう1つはジェンダー表現。これは、ジェンダーアイデンティティを外部に向けて表現することです。従来、男性と女性の2種類で定義されていたジェンダーは、もっと複雑で流動的なもので、今では、アンドロジナスやトランスのほか、様々なアイデンティティを包含するようになりました。様々なジェンダーの人々を起用したビジュアルは、マーケティング活動の多様性を高めるにあたって強力なツールとなります。
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性的指向
多様な性的指向を持つ人々を描くということは、同性カップルや虹色の旗のビジュアルを使うだけに留まりません。LGBTQ+という言葉は、異性愛以外の多様な性的指向を包括しています。固定観念にとらわれない道を歩む姿、子育てを楽しんでいる姿、年を重ねている姿など、様々な姿のLGBTQ+の人たちを表現することも、ブランドの虚飾のない多様性を高める方法です。
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体形
リアルで多様な体形を見せることは、キャンペーンを際立たせて、ブランドの認知度を高めることにつながる大胆かつインクルージョンを反映する手段です。従来、マーケティングや広告では、主に若い白人モデルの非現実的な体形が採用されてきました。今は、体形、サイズ、肌の色などの異なる様々な人々を描いたビジュアルを使用することが、あらゆるブランドの目標である、自然な印象で消費者とつながることになります。
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障害
障害を持つ人々を起用したビジュアルを使用することで、固定観念から離れて、単なる慈善活動としてではなく、リアルな生活の豊かさや多面性を表現するのに役立ちます。身体障害や認知障害ではなく、個人を強調することは、何百万人もの消費者が、目に見える、あるいは目に見えない障害にもかかわらず、アクティブでダイナミックな生活を送っているという現実を反映しています。
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年齢
この普遍的な事実をマーケターは見落としがちです。私たちは誰もが年を取ります。高齢の消費者層は、ますます拡大していますが、YouGovが実施した調査によると、50歳以上の人の79%が広告では自分たち世代のことを正確に描写されていないと答えています。キャンペーンで50歳以上の高齢者を起用することで、リアルな世界をマーケディングで反映させることができるほか、重要性を増しているこの市場に入り込める可能性が高まります。
市場調査によると、消費者の3分の2以上が重要視することして、購入先の企業があらゆる種類の多様性を大切にしていることを挙げています。他の追随を許さない多数の独占ビジュアルを提供するiStockでは、フォトリサーチャー、フォトグラファー、イラストレーター、デザイナーなど、様々なスタッフがお客様のあらゆるマーケティングニーズに対応したユニークで多様性に富んだビジュアルを制作しています。他の情報に埋もれることなく、ブランドの認知度を高め、顧客とのつながりを築くために、iStockをご活用ください。
*Getty Images Top 1 Million Global Year over Year Searches, January 2020