初心者でもカンタン:商用でロイヤリティフリー画像を使う方法

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写真、イラスト、映像など、数多くのビジュアル素材が数クリックで手に入る現代は、グラフィックデザインにとって黄金時代だと言えるのではないでしょうか。どんな雰囲気やコンセプトでも表現できそうな魅力的で独特なビジュアル素材が、世の中に出回っています。

ただし、他人が制作したビジュアル素材では使用方法に制限があります。グラフィックデザインでビジュアル素材を使うとき、この点で混乱するのは、あなただけではありません。“ロイヤリティフリー”、“著作権フリー”、“商用”といった用語は複雑で必ずしも明確に定義されているわけではありません。

実用的なポイントを挙げるとするなら、仕事で画像を使用する場合は、ロイヤリティフリーのライセンスが付帯する画像を使うと理想的だということです。

ロイヤリティフリー画像を使えば、様々なクレームや訴訟の心配から解放されるだけでなく、その画像を制作したクリエイターに対して報酬を支払うことができます。これは、理にかなった取引であり、決して悪いことではありません。

ロイヤリティフリー画像であれば、安心してデザイン作業に取り組むことができます。法的措置の心配はありません。

ロイヤリティフリー素材とは?

ロイヤリティフリー画像には、ユニークなライセンスが付帯します。ロイヤリティフリー画像に対して、利用者である個人や企業は一度だけライセンスの手続きをします。それ以降はライセンスの更新は必要なく、その画像を永久に使用することができます。

ロイヤリティフリー以外のライセンスは短期レンタルのようなものが多く、交渉によって決められた特定の用途と期間内に限り、画像を使用することができます。ライセンスの使用期間が終了したあとは、画像の制作者を探し出して、新しいライセンスの交渉をしなければなりません。

実用的だとは言えませんね。

ロイヤリティフリー画像であれば、ダウンロードするときに、その画像を今後にわたって使用し続けるためのライセンスに対して代金を支払いします。ライセンスの条件に違反しない限り、その画像をウェブサイトやトレーニングマニュアルなどに何度で使用しても、訴えられる心配はありません (画像に関する法的措置は思っている以上に発生しています)。

ロイヤリティフリー画像に適した用途

ロイヤリティフリーの写真やベクター画像は、幅広いクリエイティブプロジェクトに役立てることができます。効果的で説得力のある画像は、セールスのプレゼンテーションで資料の魅力を高めることはもちろん、ブログを視覚的に演出したり、ブランドの情報発信全般を強化したりすることができます。

大きな成果を上げる必要のあるプロジェクトでロイヤリティフリー画像を使えば、コストを低く抑えることができます。FacebookやInstagramの世界では、高品質のビジュアルは「あったらいいな」で済ませられるものではなくなりました。もはやビジネスに欠かせないものです。

SNS広告、営業パンフレット、店内ディスプレイ、企業プレゼンテーション、ブログなどをデザインする際には、ロイヤリティフリー画像の利用を検討するようにしましょう。

SNS広告

SNSでは、注目を集めるビジュアルが非常に重要です。有名人の休暇模様や友人の赤ちゃんの写真などに負けないコンテンツを投稿しなければならないからです。一流のクリエイターが提供する美しいロイヤリティフリー画像であれば、クリックやシェアの獲得に役立ちます。

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営業パンフレット

質の高い画像を使うと、あなたの商品にどんないいことがあるのでしょうか? おわかりの方もいらっしゃると思います。一流のフォトグラファーが撮影したロイヤリティフリー写真を使えば、営業チームが目標を完全達成しやすくなります。

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店内ディスプレイ

ロイヤルティフリー画像は、完成度の高い店内ディスプレイを実現するためのカギとなる要素です。魅力的な店内ディスプレイであれば、買い物客が気に留めるだけでなく、足を止めて見入ってしまうものです。

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企業プレゼンテーション

会議室の巨大なスクリーンには、どんなものを映し出すといいのでしょうか? おもしろみのない古くさいタイトルページを使い続けていませんか? 現代的で活き活きとしたブランドの印象を反映できているでしょうか? デザイン性に優れたこうした画像を使えば、プレゼンテーションの参加者に興味を示してもらいやすくなります。

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ブログ

画像をブログの記事に埋め込んで見た目を充実させることで、コンテンツの人気を高めましょう。人目を引く画像は、ウェブページを読みやすく実用的に仕上げてくれます。ブログ記事のようなテキスト量の多いコンテンツでは、画像を使用することで上位表示が可能となり、閲覧者の興味を引きます。

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なぜ、お金を払ってまで画像素材をブログの記事に使うのでしょうか? 消費者とブランドの最初の接点になるのが、ブログの記事だという可能性があるからです。本格的な画像であれば、本格的な印象を与えることができます。また、画像を自分で制作するとなれば、コストがはるかに高くなるため、画像素材を使ったほうが経済的です。

ロイヤリティフリー画像なら必要に応じて編集可能

ロイヤリティフリー画像は、グラフィックデザイナー向けに制作されているため、通常、トリミング、レタッチ、色変更など、好きなように編集を行うことができます。

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無料で出回っている画像素材は、1種類のサイズでしか提供されていないことがほとんどです。そうした画像素材をトリミングすると、表示倍率が大きくなり、画質の荒さが目立ってしまいます。それだけではなく、写真を反転させたり、色を変えたりするような簡単な変更を加えると、ライセンス条項に違反する可能性があります。

ロイヤリティフリー素材の追加ライセンスが必要になる用途

ロイヤリティフリー素材の標準ライセンスの範囲では、素材の利用が認められない用途があります。例としては、ブランドアイデンティティを示す資産、販売用製品、大規模な印刷物などが挙げられます。

大量/無制限の印刷

他のライセンスと同様、ロイヤリティフリーのライセンスにも制約が存在します。全国誌に掲載される広告など、大規模な印刷物で素材を利用する場合は、ライセンスを確認するようにしましょう。iStockでは、50万を超える商品や印刷物に素材を利用する場合に備えて、複製数を無制限にするライセンスを追加することができます。

販売用製品

ロイヤリティフリーの標準ライセンスでは、ライセンスされた画像を全面に押し出して作成した製品を販売できない場合があります。販売例としては、ライセンスした画像をマグカップなどの物理的な製品に印刷してオンラインで販売する場合が挙げられます。別の例としては、電子書籍やデザインテンプレートなど、ダウンロード可能なデジタル製品に画像を含める場合があります。iStockでは、このような状況に対応する販売用のライセンスを提供しています。

製品のパッケージも、ロイヤリティフリーの標準ライセンスに適していない可能性があります。ライセンスによって画像の使用回数が制限されていることがあり、製品に人気が出てきて制限を超えてしまう場合は、その画像のパッケージを変更しなければならない可能性があります。iStockでは、50万回以上印刷されるパッケージ用に無制限の印刷ライセンスを提供しています。

禁止される可能性のあるプロジェクト

ロイヤリティフリーのライセンスに抵触しているとみなされるプロジェクトや使用方法があります。

ロゴ

通常、ロイヤリティフリー画像をロゴに使うことは禁止されています。そもそも、ロゴに画像素材を使うべきではありません。ロゴにはユニークなものが求められます。それは、他の人が使用する可能性のある画像素材ではありません。ロゴは商標登録されることが多く、他人の画像が含まれていると商標が無効になることもあります。このような理由から、iStockでは扱っている画像素材をロゴに使用することを禁止しています。

ポルノ/わいせつ物/名誉毀損にあたるコンテンツ

ロイヤリティフリーのライセンスでは、よく禁止されている使用方法があります。iStockでは、ポルノ、わいせつ物、または名誉毀損にあたるコンテンツにロイヤリティフリー画像を使用することは認められていません。他のロイヤリティフリーのストックフォトサイトも同様の規定を設けています。

ロイヤリティフリーの意味

ロイヤリティフリーの“フリー”とは、必ずしも商用で自由に使えるという意味ではありません。商用とは、商品の売買を目的にして画像素材を使用するということです。信頼性の高い画像提供サービスでは、ライセンス料を支払えば、条件内に限り、商用/非商用を問わず画像素材を使用できます。

ただし、一部の商用を制限しているロイヤリティフリー画像のライセンスがあります。グッズやデジタルダウンロードのような販売商品に画像素材を使用するには、特別なライセンスが必要な場合があります。

商用できるロイヤリティフリー画像

ロイヤリティフリー画像を商用できるかどうかは、ライセンスの条件によって異なります。不明な場合は、画像を提供した会社に問い合わせましょう。画像がいつもロイヤリティフリーだとは限らないので、注意が必要です。

ライセンスの種類は大きく分けて3つあります。

  • 商用のために完全にリリースを取得したコンテンツ
  • 商用できるリリースを取得していないコンテンツ
  • 報道用途限定のコンテンツ

商用のために完全にリリースを取得したコンテンツ

画像素材では、特定できるレベルで被写体となっている人や場所、そして物に関して、署名入りのリリース(使用承諾)を取得しているものが理想的です。

  • 商用を目的にしている場合は、被写体の署名入りリリースを取得するのが理想的です。
  • 私有地、入場制限区域、またはチケットで入場する場所を写した写真については、商用で署名入りリリースの取得が必要です。
  • 著作物や商標物が写っている場合は、その写真の無断商用が禁止されている場合があります(ブランドロゴの入ったTシャツを着ている人など)。

商用のための画像の使用には十分な注意が必要です。他のプラットフォームからコンテンツを調達する際には、写真家が写真の無料使用を許可していたとしても、その写真家以外の人から承認が必要になる場合があることを意識しましょう。リリースの取得が完全でない場合、使用者本人を含め、使用者の雇用主やクライアントに法的措置がおよぶ恐れがあります。

商用できるリリースを取得していないコンテンツ

写真やイラストの被写体が物体や動物、もしくは特定できない人物である場合は、リリースが不要です。

下の写真例では、エフェクト処理によって人の顔がぼやけています。人物を特定が不可能であり、公共の場所での撮影なので、モデル(人)やプロパティ(物件/場所)のリリースが不要です。

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報道用途限定のコンテンツ

報道用途限定の写真の場合、人物、私有地、ブランド、芸術が写っていても、商用のためにリリースが取得されていないことがあります。

リリースが取得されていないと、宣伝や広告など、いかなる商用でのグラフィックデザインも認められません。

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非営利のブログやニュースレターの記事、学術論文など、非商用であれば、報道用途限定の写真を使うことができます。

ロイヤリティフリー画像の料金

ロイヤリティフリーの“フリー”とは、金銭的に無料という意味ではありません。クリエイターは時間と労力を費やして写真やイラストを制作していますので、報酬を得るに値する権利があります。

一般的に、画像素材を提供するサービスはクリエイターと法的な契約を結んで、ロイヤリティフリー画像をのライセンスを利用者に提供する許可を得ています。そして利用者がライセンスを購入すると、クリエイターに報酬が支払われます。一方、利用者はロイヤリティフリー画像のライセンスに基づいてクリエイターの画像素材を使えるようになります。

画像素材を無料で提供するウェブサイトの場合は、意図した用途で画像素材を使えるようになっているか注意が必要です。万が一の際には、法的な保護はあるでしょうか? クレームが発生した場合、そのウェブサイトは問題解決をサポートしてくれるでしょうか?

著作者は、自分の作品のことを自分で決められる権利が与えられています。いつ公開するか、いつ掲載するか、いつ複製するか、いつ関連商品を作るかなどについて、著作者が独占的に決めることができます。画像素材を使用するライセンスが適切なものでなければ、作成者は著作権侵害の主張を追求し、画像が使用されるたびに損害賠償を求める法的権利を持っている可能性があります。

ロイヤリティフリー画像を無料で手に入れられる場所

無料のロイヤリティフリー画像をお探しの場合は、freeimages.com がおすすめです。同サイトのロイヤリティフリー画像は、私用と商用でライセンスが提供されています。

freeimages.com の提供する無料のロイヤリティフリー画像を利用すれば節約にはなりますが、クオリティや豊富さではiStockに及びません。また、無料素材の場合は適用される条件をよく読む必要があります。通常、ライセンスが無料の場合は、法的な保護や補償はありません。

また、無料で提供されているため、多くの人が利用していることも忘れてはいけません。つまり、無料の画像素材を自分の会社のウェブサイトで使った場合、おそらく様々な場所でもその画像が使われているということです。

ロイヤリティフリーと著作権フリーの違い

ロイヤリティフリーと著作権フリーがどう違うのかは、著作権フリーをどのように定義するかによって変わってきます。また、著作権フリーのライセンスで画像を利用するかどうかによっても変わってきます。

例えば、クリエイティブ・コモンズの著作権ライセンスが付与された画像は、他のクリエイティブなプロジェクトで変更を加えたり、再利用したりするときでも、ライセンスを取得する必要がありません。ただし、クリエイティブ・コモンズには複数のライセンスがあります。商用を全面的に禁止しているものもあれば、非商用でも写真のクレジットを掲載しなければならないものもあります。さらに、使用した画像について訴訟があったとしても、その使用が適切な許可のもと行われたことをクリエイティブ・コモンズが保証してくれるわけではありません。金銭的な補償があるわけでもありません。

いずれにしても、画像素材を利用する際には著作権を考慮しなければなりません。人物、場所、物体など、被写体の中に特定できるものがあるときは、用途によって追加の許可が必要になる場合があります。

著作権フリーを手に入れられる場所

公有の財産となっている画像は、著作権フリーとみなされる場合があります。また、昔に制作された画像の中には、著作権が切れた状態のものもあります。著作権が切れてしまう前に自分の作品を一般に提供するアーティストや、誰もが画像を利用できるようにしている政府機関も存在します。

どころが、公有の財産かどうかを判断するのは困難です。たとえ公有の財産であったとしても、商用には追加の許可が必要な場合があります。

著作権の期間にいたっては、作成場所、作成日、登録/未登録、被写体についての許可など、数多くの要素が関わってきます。政府機関の場合は、写真のクレジットを掲載することを求められることがあります。

実際のところ、ライセンスを取得せずに画像を使用するときは、どんな状況であってもリスクがつきまとうのが現実です。

いかがでしたか? ロイヤリティフリー画像について理解を深められたでしょうか? ロイヤリティフリー画像の使用についてさらに詳しい情報が必要な場合は、iStockのロイヤリティフリー画像・特設ページをご覧ください。準備ができたら、写真やベクター画像を探してグラフィックデザインに使ってみましょう。

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